社会人のカラオケが怖い
今日久しぶりに友人たちとカラオケに行ったんだけど、この友人たちが本当に気を使わなくていいから楽。
そりゃあ少しは他の人が知ってそうな曲、たとえばアジカンとかサカナクションとかも歌ったりするけど、ほとんどは自分の歌いたいものばっかり歌っている。
THE PINBALLS にBLOC PARTY. にかせきさいだあ、たぶんみんなわかってないけどそれでも不満そうな顔をしたりしないのでありがたい。
それにもちろん、友人たちもそれぞれで自分の好きな歌ばっかり歌っているからお互いさまだ。
これが社会人になって、会社の人達とカラオケに行くとなったらどうなるのかと、今更ながら少し怖いところがある。
あれか、やっぱり先輩やら上司やらの年代に合わせた歌しか歌っちゃいけないのか?
Number Girl とかTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT 、THE BLUE HEARTS くらいならなんとかなるけど、それ以外は無理。
もっと遡るとはっぴいえんどの「風をあつめて」かさだまさしの「精霊流し」くらいしか歌えない。
「精霊流し」なんかカラオケで歌ったらすさまじい空気になりそうで、それはそれで怖いし。
会社のカラオケでもそんなに気を使わなくていいもんなのかな?
だったら自分のように歌える曲のレパートリーが偏ってる人間でも、少しはカラオケに行ってみようという気分になるんだけど。
ていうかこんなこと気にするよりも、残業時間とか有給の取りやすさとか気にしたほうがいいんだろうなあ。
なんか気にする場所が間違っている。
これはあれか、大学生気分が抜けてないっていうやつか。
まあ今のうちはまだ大学生だし、これくらいは許してほしい。
大学生のうちにもっと親からお金貰っておけばよかったよ
社会人になってもそんなにお金使わない?
自分はこの四月から会社員として働くことになるわけだけど、就職した部活の先輩から話を聞く限り、社会人はあんまりお金を使う機会が無いらしい。
そりゃあ毎日飲み歩いてるだとかブランドものに凝ってるだとか、そういう人間にとってはお金はいくらあっても足りないだろうけど。
話を聞いた先輩はあんまり人づきあいが活発な方ではないし、飲み歩く趣味もブランド趣味も無い、基本的に家の中でやれるゲームだとか読書を趣味にしている。
自分もどちらかと言うとそういうタイプなので(むしろその先輩よりも人づきあいがなくて、食べ物も質素だ)、きっとあんまりお金を使う機会が無くて何となく預金残高が増えていく気がする。
だったらその分のお金を今使いたい。
未来の自分から前借りできたら、今の自分の生活レベルが格段に向上するだろう。
欲しい本やCD、漫画をもっと心置きなく変えることだろう。
というかまずはそれらを収納する本棚を買いたい。
親から借りればよかった
ここまで考えて、やっぱり見出しのような結論に至る。
未来の自分が無理なら、親から借りるしかない。
消費者金融なんかは利息が高いから論外だけど、親なら無利子でも必死で頼み込めばどうにかなるだろう。
それが今までの大学生活で、もらった仕送りが家賃光熱費諸々含めてか1か月10万円×4年弱。
せめてあと5万円あれば、もう少し文化的な生活が出来ただろうに・・・。
これを親から借りた分だとしても、5万円×4年で240万円。
まあ社会人なら10年もすれば無理なく返済できるだろうし、ボーナスで払えばもっと早く返せる。
引き換えに裕福な大学生活が満喫できるのだから、安いもんだろうという気がする。
バイトしろとかいう意見は黙殺。
バイトするのが嫌だということを大前提にしているから、こういう話になっている。
だってどうせ大学卒業したら働くんだから、大学生のうちくらいはなるべくバイトしたくない。
そりゃあ少しはしたけど、どれも長続きしなかった。
結局、今更後悔しても遅いけれど、毎月5万円ずつ親から借金していれば仕送り10万円+5万円で15万円。
これだけあれば、ほんの少しもバイトする必要なんかなかったのに・・・。
引っ越し屋でヤンキーみたいな社員に怒鳴られることも、早起きできずに仕分けのバイトをバックレることもなかったのだと思うと、後悔の念は止まない。
せめてこの最後の春休みは10万円ほど借りておこうと心に決めた。
法条遥「リライト」感想 これは猛烈に面倒くささを追求した小説だ
あらすじ
1992年の夏、保彦という未来人の少年が「本を探しにこの時代にやってきた」と言って転校してきて、中学二年生の美雪と一緒に一夏を過ごす。
保彦はラベンダーの香りが付いた紫色の錠剤をのむことで時間を移動することができるが、この薬は保彦自身が開発したもので保彦以外にはたった5秒間しか使用できないのだと言う。
保彦が未来へ帰る日、二人が密会に使用していた旧校舎が倒壊し、保彦はがれきに埋もれてしまう。
保彦を助けようとした美雪は薬を飲んで十年後へ飛び、十年後の世界から持ち帰った携帯電話によって保彦の居場所を探り当てて保彦を助ける。
保彦は未来へと帰り、その一夏は美雪にとってかけがえのない思い出となった。
それから十年後、美雪は過去の自分が携帯電話を持って帰れるようにセッティングしたのだが、いつまで経っても過去の自分が現れない。
これでは十年前の美雪が保彦を助けることができない。
ここで美雪は、タイムパラドックスが発生して過去が改変されてしまったのではないかという恐怖にとらわれる。
小説家になっていた美雪は十年前の出来事を基にした『時を翔ける少女』という名の小説を出版するが、そんな折に開かれた中学の同窓会で衝撃の事実が発覚。
そして最悪のパラドックスが実行される。
文体は軽いが論理SF
文体は軽めでサクサク読める。
現在と過去を行き来する構成になっているが、そこに仕掛けられた伏線も文体につられて読み飛ばしてしまうかもしれない。
しかし内容は軽いわけじゃなく、全体的にどこかしら暗い雰囲気を漂わせたまま進行していく。
そして最後には理詰めでそれまでの違和感が説明され、物語はパラドックスへと陥ってしまうのである。
実はこの話、未来人の保彦がある策を弄しているわけなのだが、その策と言うのが本当に面倒くさい。
いやいや、確かにこうするしかなかったっぽいけれど、本当にこれをやっちゃうのか。
他にもっとやりようがあったような気もするけれど、考えてみればこれしか方法が無いような気もする。
でもよくやろうと思ったな。
ネタバレを避ければこんな感じの感想になる。
脳内で当時の状況を思い描いてみると、相当に愉快な、いや不条理感ただよう図柄になるので思わず笑ってしまう。
そして面倒くさいのは最後に展開されるパラドックスも同様である。
それまでの軽い文体からはちょっと想像しにくいくらいに複雑で、理解するのにずいぶん手間取った、というかまだ完璧に理解したかどうか自信がない。
こういうパラドックスものって、ある事象によって全体像がどこまで改変されてしまうのか、っていう部分が非常につかみづらいところがある。
この作品でもそこを脳内で整理するのが大変だったわけだけど、話自体はストレートに面白い。
この面倒くささ、不条理さに作者が力を注いだのかなーと、解説を読んだ今は思う。
全四作でサーガになっているようなので、続きもどんどん読んでみよう。