本屋の本棚にある本って、やたらと面白そうに見える
昨日、カラオケの後に本屋へ立ち寄ったんだけど、そこでついつい本を買ってしまった。
養老孟司『身体巡礼』、円城塔『Boy's Surface』、芦辺拓『奇譚を売る店』の三冊。
特に『身体巡礼』の帯に書かれた
「心臓だけを別に埋葬する奇習、骸骨堂、旧ゲットーのユダヤ人墓地……。ヨーロッパの長い歴史は無数の死者の埋葬と共にある」
っていうコピーがむちゃくちゃ気に入ってしまった。
何だろうこのワクワクする気分。
そう言えば日本ではあんまり死体や骨が残っているという話を聞かないような気がする。
土中に埋葬されているのが発掘されることはあるけど、それが一般に公開されているっていう話はあまり聞かない。
自分が無知なだけということかもしれないが。
ひょっとしたら気候の違いが関係してるのかも?
それにキリスト教圏では腐敗しない死体を奇跡と考えた聖人信仰があったりするから、日本に比べると死体そのものに対する嫌悪感が無いのかもなあ。
ともかく、本屋に入った時点では何も買う気が無かったのだけど、本棚に陳列された本を眺めているとついつい手を伸ばしてしまう。
そして一冊、二冊と手に抱える本の冊数が増えていき、遂にはそれらを買ってしまう。
なんとも不思議なものだ。
本屋の陳列を考える書店員の人達ってすげえなあと思わざるを得ない。
それにやっぱり、まだ自分が読んだことない本は全て面白そうに見える傾向がありそうだとも思う。
最近は「知らない、わからない」ってとても贅沢なことなんじゃないかなあという気がしていて、何もかもがわかってしまった状態はすごくつまらないだろうと感じる。
何もかもがわかるっていうのはある意味で悟りを開いた状態と似てるのかもしれないけど、それは穏やかでありこそすれど、あまり楽しくもなさそうだ。
だからついつい知らない本に手を伸ばして、懐を寂しくさせているわけだけど。
それくらいの楽しみは、死ぬまで持っていたいなあ。